明日香村「采女とうふ」


近鉄飛鳥駅前にある、あすか夢販売所で「采女とうふ」という名のおいしい豆腐を見つけた。その名前と本物の味に惹かれ、生産者を訪ねた。高市郡明日香村島庄の「下出豆腐店」である。
創業100年の歴史ある豆腐店だ。 現在の代表者は三代目の下出勝教さん。祖母が大正初期より豆腐の製造を始め、昭和20年頃から本格的な豆腐の製造を開始されたという。
二年前より四代目和彦氏が「采女とうふ」という新商品を開発し評判を呼んでいる。采女とは、日本の朝廷において天皇や皇后に近侍し、食事など身の回りの雑ことを専門に行う女官のこと。
明日香にふさわしい名前の豆腐である。


写真左から三代目下出勝教さん中央、四代目和彦さん左、勝教さんの奥様の洋子さん

この豆腐、やさしく、やわらかな触感だけではない。濃厚なコクと大豆の香りが漂う、味わいはただものではない。これは素直においしいと感動。一体どのように作られているのかと大いに興味がわく。
采女豆腐の命は原材料のこだわり。九州産のフクユタカという国産大豆と、塩田で有名な赤穂産の本ニガリを使用。水は明日香の里水の地下水を汲み上げる。香ばしさと上品な甘さ、大豆本来の風味にこだわった豆腐に仕上げている。
なるほど、この采女とうふ、豆乳の濃度が高く14.5度もある。通常の豆乳は11度位であるから、采女豆腐の濃厚な味わいに納得。
大量販売されている豆腐は、安定した味をいつも提供できるのだが、手づくり無添加製法では安定した味を保つことは容易ではない。気温や湿度の変化などで大豆のもどり方(吸水)にも時間差があり、微妙な勘が勝負。当たり前の事ではあるが毎日が真剣勝負。豆乳の濃度もその日その日で変わるようで、なかなか納得のできる状態で仕上がらないと下出さんは語る
だが、安定しない旨さと言うと変ではあるが、ほんの微妙な味加減を技と経験で克服するのが手作りのなせる極みなのである。安心できて本物であって欲しい。そんなおすすめの豆腐なのである。


大豆と水を攪拌してできた「呉」これを漉して豆乳に。

采女豆腐、これからも100年の歴史を守り、こだわりを持ち続けていただきたい味である。采女豆腐は近鉄飛鳥駅前「あすか夢販売所」で買い求めることが出来る。 明日香に来られたら是非一度ご賞味ください。


采女とうふの食べ方は・・・
基本的には食べる時の豆腐の温度が大切。豆腐にも食べごろ温度があり、冷蔵庫から出して約10分から30分位がおいしく食べるコツ。あまり冷たいと豆腐本来の風味が味わえない。特にこの采女とうふ「絹」は冷奴がおすすめ。「まず何もつけずに良く噛んで食べてください。豆腐本来の風味(香ばしさと程よい甘さ)がよく味わえる。その後お好みで醤油や辛子、ポン酢等で召し上がってください。又いろいろなフルーツソースや黒蜜をかけてもお試しください。(店主)」筆者のお勧めは「おろし山葵」です。 これからの季節、豆腐の良質のタンパク質、イソフラボンで体の抵抗力をつけ、暑い夏を乗り切ろう。

お問い合わせは橿原市見瀬町 カワショー、電話0744-27-2129
又は下出豆腐店、電話0744(54)2072。

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