東吉野の古民家レストラン


秋晴れの爽やかな季節、各地では秋祭りたけなわの頃、テレビ「人生の楽園」に出場された東吉野の古民家レストラン「月うさぎ」の瀧口俊二さんを訪ねました。
「月うさぎ」は同村谷尻の元小学校跡の用務員さんが暮らしていた古民家を、吉野檜、杉をふんだんに使ってリフォームされた古民家レストランである。

国道166号を宇陀市菟田野区の新松井橋から県道へ、岩端経由で約20分。スーパー林道を車で駆け上がって森林の中の谷尻に到着(地元ではたんじりと呼ぶ)。ここは雑踏から遠く離れた山中にあって空気がおいしく、森林の風が優しく、本当に気持ちの良いところである。

いらっしゃい。と笑顔で待ち受けてくれたオーナーの瀧口俊二さん。2年半前に大阪から東吉野に移り住んで、現在は年金暮らしをしながら古民家レストランの経営をされている。また吉野の杉、檜の普及活動をするNPO森の月人の事務局長でもあり、吉野の木の住まいづくりや間伐材を活用した吉野の割り箸普及や、1000年伝統の吉野絵漆器の復活など多彩な活動で忙しくも楽しい田舎暮らしを謳歌されている。



「月うさぎ」のレストラン料理の素材は、地元東吉野や宇陀市でとれた産品や自家農場の野菜など、作った人の顔の見える安心できるものばかり。 本日のランチメニューは、新米の玄米栗ご飯・地鶏のたたき葛あんかけ・自家燻製の卵、燻製ささみ・水菜サラダ添え柿の白和え・大宇陀の黒枝豆・自家農園で採れた小芋とこんにゃくの田楽、大宇陀の酢ごぼう、花豆の甘煮・東吉野村特産よもぎたあめんの汁物・よもぎもち・よもぎ茶など郷土色豊かな献立である。

「なつかしいなぁ、おいしい」と思わず声に出る。全体的な味は薄味でヘルシー、そして心なごむ郷愁を呼ぶ味である。木のぬくもりと相まっていただく料理は、舌だけではなく脳も快く刺激するから不思議だ。 喜んで食べて頂き感激でございます。もっと郷土料理を勉強して頑張っていきたいと奥様の幸子さんは語る。



瀧口さんの生活にうらやましく、どうしたらこんな生活出来るのかと、いずれゆっくり聞いて見たいと思う。料理も古民家も森林の空気もすっかり堪能したところで、スーパー林道を抜けて10分の「たかすみ温泉」へ。入浴料500円の村営温泉で檜のお風呂と露天風呂が気持ちよい。緑の美林を眺めお湯につかりながら、日頃の疲れを癒すよい一日となった。

「月うさぎ」のランチは1000円より。(おいしい珈琲がついて1400円が基本メニュー) シーズンには牡丹鍋も有。1泊2食の宿泊も6500円と格安(但し宿泊は月うさぎ会員になる必要有)
月うさぎ TEL07464-4-0112



NPO法人奈良の食文化研究会  木村隆志
TEL:090-1021-0460