龍馬が愛した軍鶏鍋


「日本を今一度、洗濯いたし申し候」というスケールの大きなことを本当に実現させた幕末の志士・坂本龍馬。この坂本龍馬が軍鶏鍋好きだったのは有名な話である。 慶応3年(1867年)11月15日。風邪気味だった龍馬は「腹が減ったな。栄養たっぷりの軍鶏鍋でも食おうぜ」と言い軍鶏を買いにやらせる。くしくもこの日は龍馬の33回目の誕生日。好物の軍鶏鍋で英気を養い、同士たちと志を決意しながら自身の誕生日を過ごしたのであろうか。


龍馬が愛したという軍鶏鍋を出している店があると聞いたので訪ねてみた。
近鉄新大宮駅から西へ徒歩6分「大和料理 物集女(もずめ)」。この店では軍鶏鍋を奈良県の特産品27品目の一つである大和肉鶏で再現した「龍馬鍋」を賞味することができる。
龍馬鍋のこだわりは鶏ガラスープ。大和肉鶏のガラを時間をかけてじっくり煮込む。鶏ガラは煮込む温度によって味が変わるため、温度を一定にして常に面倒を見てやることが大切だそうだ。そうしてしっかりしたうまみのスープが出来上がる。

次のこだわりはしゃぶしゃぶ。大和肉鶏の胸肉を薄造りにしたしゃぶしゃぶは、味わいといい、歯ざわりといい、誠に絶品。 そして、特製のつみれは、山芋をたっぷり使って大和肉鶏のコクと甘みのある脂を包み込む。しゃぶしゃぶとは反対にふんわりとした触感が舌を潤す。
「龍馬が最後に食べたかった軍鶏鍋は、鶏のコクとうまみがしっかりとして、どこか懐かしく優しい味がするものだったはず。」その鍋を再現しようとスープから野菜に至るまで、また大和肉鶏の特徴を壊さないように試行錯誤を繰り返した。提携養鶏場に出向き朝引きの新鮮な大和肉鶏を使用するこだわりはこの店の心意気だ。「この鍋を龍馬にも食べてもらいたかった」と店のオーナーは語る。



龍馬鍋は、白濁したスープに薄造りをさっと湯通して自家製のポン酢でいただく。しっかりとした歯ごたえの中にコクのあるスープ、そしてポン酢の柚子の風味がまじりあって、思わずうなり声をあげてしまう。 鍋の〆はラーメン。スープに醤油だしを加えた鶏ガラスープ味のラーメンも絶妙の味。 大和肉鶏のうまみと柚子の香りが土佐を思い出させる特製ポン酢。まさにこれは、「龍馬鍋」と呼ぶにふさわしい鍋である。

龍馬鍋が食べられるお店 大和料理 物集女(もずめ)0742-36-5566

NPO法人奈良の食文化研究会  木村隆志
 TEL:090-1021-0460


作ってみよう「大和肉鶏の水炊き」



@大和肉鶏もも肉(500g)は一口大に切り、手羽先(8本)と一緒に塩をたっぷり振ってしばらくおく。
Aだし昆布と水をいれておいた土鍋に手羽先、日本酒(100cc)を入れ蓋をせずに約30分、中火で炊く。
B沸騰したら灰汁をすくい同時に昆布も取り出す。もも肉を入れ、蓋をして弱火で30分炊く。生姜汁を加えてお鍋のスープができあがる
Cお好みの野菜を鍋にいれて煮る
Dお鍋のスープを各自の器に取り入れ、塩と万能ねぎ加えて味を整えていただく
Eお好みでお肉はポン酢をつけていただきます。