ナポリピッツァ公認店「マガジーノ」
〜ナポリの真髄とこだわりの自家製栽培野菜〜


「立春」を過ぎても厳しい寒さの残る2月初旬、二上山を背にのどかな田園地帯にある、ピッッツァの店「マガジーノ」(イタリア語で「倉庫」の意)を訪れた。
入口には「第1回ナポリピッツァオリンピッククラシカル部門第3位」の大きな看板。店内には、多数の認定書や表彰状とともに、倉庫のイメージを残しつつモダンナインテリアで雰囲気が漂う。

さっそくランチペアコースを注文。まず出てきたサラダ野菜の種類の多さに驚く。京水菜、赤からし水菜、紅心大根、真珠大根、赤辛味大根、わさび菜、からし菜、ビーツ、ラディッシュ、の旬の野菜に、キウイと牡蠣のドレッシング。℃の野菜も新鮮で甘味があり、さすが自家製栽培、市販の野菜とは全く違うおいしさが口の中で広がる。
次は「季節料理の盛り合わせ」で、鶏肉の包み焼きレモングラスソース、ペコリーノチーズ、ハタハタのから揚げ、サバの塩焼きき、野菜焼きなど、今まで食べたことのない香ばしいうま味だ。

いよいよメーンのピッツァ。まずその生地のおいしさに感動。外はパリッとして、中はもっちりやわらかく分厚い生地で、市販のピザとは全く違う。中の水牛のモッツァレラチーズは初めて食べたが、全く癖が無くおいしい。その後パスタ、最後のデザートと、どれもおいしくいただいた。

オーナーの野田初代さん(66歳)からお話しを伺う。
1994年、この地にて夫婦で紳士服の加工販売を始め、のち洋服とバッグの製造販売をしたが、時代の流れで海外市場に押され、1998年ごろから前の畑で野菜作りを始め、2001年に夫とイタリアンレストランを開業した。
当初はピザ用のオーブンで作るローマピッツァの店だったが、息子の泰仙(ひろのり)さん(現店長、36歳)が、赤穂の「さくらぐみ」(ナポリピッツァの日本1号店)で修行の後、2007年からナポリピッツァを始めた。

イタリア直輸入の奈良初の薪窯と泰仙さんの熱意で、2008年イタリア政府公認「真のナポリピッツァ協会」の審査に1発合格。日本第27号の認定を受け、2010年にはイタリアピッツァ職人の認定、2012年ナポリの「ピッツァオリンピッククラシカル部門」で世界第3位を獲得した。
「マガジーノ」のこだわりは、現地の粉とチーズの「真のナポリピッツァ」。材料は単純な「粉・塩・水」だけに奥が深く、「粉は感じるものだ」という。今もイタリア研修で研究を怠らない。
「ナポリの本物材料と、母の無農薬野菜にこだわっていきたい。土日は店の前に列が並び、大阪、東京からも来客があるが、今の苦労はスタッフを育てること。若い人を育てるのは難しい。1人でもイタリアへ研修に行ってほしいと、皆でイタリア語の勉強もしている」と先を見つめる。

本物のナポリピッツァと、こだわりの野菜作り、野田さん親子の強い思いを感じながら、隣の畑に育つ素晴らしい野菜たちを見て、次は職場の皆で来たいと思った。

イタリアンレストラン「マガジーノ」 香芝市鎌田172番地
【電話】0745-79-8815 【FAX】0745-78-4974
ランチは午前11時30分から午後2時、ディナーは午後5時30分から8時50分まで。
水曜定休日。

吉田 淳子



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