うどんのルーツ「はくたく」を再現
〜つるりとしてコシのある美味しい平麺〜


ことのほか寒い2月となったが、20年に一度の「春日大社式年造替」が執り行われる。これを祝う行事の一環として、当会も参加する食のイベント実行委員会が昨年9月、県庁南の奈良公園において、奈良の麺など「粉もの」の小麦について考えると、中近東原産の小麦は、中国を経て日本伝播は弥生時代といわれるが、米に比べ、作付は極めて少なかった。

水稲生産に不適な土地の穀物であり、救荒のための裏作奨励で作られてきたこと、また米のように煮て粒食できず、粉砕する必要があることなどがあって、西欧や中国とは異なり、日本で小麦の粉食が広がるのは、小型石臼が庶民に広がった江戸時代以降だと言われる。 しかし、日本の小麦粉粉食のルーツは古い。奈良時代の遣唐使は中国から、小麦粉を練り、焼く、揚げる、茹でる、蒸す、などした「唐菓子」をにほんに伝え、そのうちの策餅は、麦縄とも言われ、そうめんの原型として有名だ。

その唐菓子の中には「はくたく」があり、「小麦粉を練り、薄く延ばして切ったもの」とされ、当会は以前から「これはうどんの原型であろう」と考え、奈良はうどんの発祥の地でもあるのでは、と考えてきた。 延ばし方や切り方には諸説あるが、「はくたく」が「はうたう「ほうほう」と言語的に変化したこと、鎌倉期の料理書『厨事類記』にある「バウタウ」の作り方では、「自然薯と米粉を使い」「木で押し平めて」「刀で切る」「茹でる」とあること、また平安期の『小右記』(藤原実資の日記)に、「989年「天皇の春日詣の際20人のはくたく女がはくたくを打って供した」と記されていることなど、春日大社からの具体的な資料提供を受けて、当会は、「策餅まつり」における「春日はくたくうどん」の再現に取り組んだのである。

当会の木村隆志理事は、手打ちのベテランであり、増井義久理事による春日大社からの資料提供などを三幸に工夫して取り組み、苦心の結果作成した平麺を「策餅まつり」で春日大社に奉じるとともに参加者にていきょうし、「つるりとしてコシもあり、とても美味しい」と大好評をえた。これをもって「奈良はうどんのルーツ」として名乗り出たわけで、関西TVで(最近、NHKでも)報道された。

「ユネスコ無形文化遺産」に登録された和食の中でも、うどんはしょみんの食べ物として、日本全国にさまざまな作り方や食べ方を生みながら広がった。 これを機会に、今年からの春日大社式年造替を記念して、奈良県各地で「春日はくたくうどん」を広めてうただくために、基本の仕様作成と登録商標(奈良市飲食店組合所有予定)の軽料公開を進めていくこととなった。

現在は、当会提携の「郷土料理居酒屋・しきしき」で提供を開始している。 なお、3月28・29日には、奈良公園浮雲園地での「うまし食彩博」にて有料試食大会を開催する。ぜひご来場いただきたい。

また9月予定で「うどんルーツサミット(仮称)」の計画にも取り組んでいる。

郷土料理居酒屋・しきしき 奈良市大宮町6-9-4
0742-36-8490
「はくたくうどん」は要予約。

瀧川 潔



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