古都に華やぐ赤い宝石
長く住むと、地元の魅力に気付きにくくなるものである。この奈良には、数多くの魅力にあふれる物が存在していながら、私たちは日常の中、ついついそれを見落としてしまう。
歴史にまつわる神社仏閣はもちろんものこと。清酒発祥の地でもあるとされる奈良の日本酒、お米やお肉、和菓子に果物、金魚というのも素敵(すてき)である。
この大会、一度は平城宮跡、二度目は春日野園地と。オープンな場所で開催された。ご来場いただいた方々が、8名のバーテンダーが創るカクテルを飲み、好みのカクテルに投票するというものであった。両年とも奈良もメーンの観光地ということもあり、素晴らしいにぎわいをみせた。
13年の優勝は「雪月桜(せつげつか)」、準優勝は「朱恋(しゅれん)」と名付けられた、「あすかルビー」と「古都華」を贅沢(ぜいたく)に使ったカクテルである。 「雪月桜」は、冬から春へと流れる、苺そのものの季節感をイメージしている。こちらはペストルという器具で苺を潰(つぶ)し、苺のワインをベースに、梅のリキュールを加えて創られている。桜型に抜かれたりんごがグラスに浮かび、そこに雪に見立てたシュガーパウダーはが舞い散らされた、フレッシュ感たっぷりのカクテルである。
今の奈良には、世界へと発信できるものがたくさん存在する。苺もまた、奈良の素晴らしいブランドとして。海の外へと旅立っている。そして、「奈良のバー文化」も全国から注目していることをご存知だろうか。地元で誇れる文化の融合、ぜひ一度皆さまに味わっていただきたいと思う。 増井 義久/p>
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