シルクロードヤマト鍋


心から体の芯まで温めてくれるこの料理は、紀元前660年にシルクロード彼方からやってきたと思われます。
シルクロードは、別名ジュイッシュロードとかスパイシーロードと言われるように、古代古代ユダヤ人によって、絹、黄金、アラビヤ半島から当時は貴重品とされていた香辛料をシルクロードの東岸、大和の国、奈良の正倉院まで運んで来たと言われています。

神武天皇は日本民族の創設者で最初の統率者と考えられていますが、彼の称号「カム・ヤマト・イワレ・ビコ・スメラ・ミコト(神倭伊波礼昆古命)」という長い称号の意味をヘブライ語に意訳すると「サマリヤの皇帝、神のヘブライ民族の高尚な創設者」となり、「ヤマト」という言葉は「神の民」を意味するヘブライ・アラム語の表現「YA・UMATO」のようです。

神武天皇の東征が生駒山から大和へ入ったのか吉野山から入ったのかは定かではありませんが、トミ族、ヤタ族に導かれて大和に入ったと伝えられています。 そういえば、奈良には登美ヶ丘、とか富雄、とか矢田丘陵とかの地名が多くあります。 富雄川の奈良のはずれに出垣内(テガイト)というバス停がありますが、この裏手に神武天皇の紀元2600年を記念した碑があります。

ここに先祖の子孫に対する想いが秘められていると言えるのではないでしょうか。
日本におけるスパイスの歴史はヨーロッパ諸国がスパイスを求めて東洋に進出する以前、すでにクローブ、やコショウ、シナモンが渡来していました。その証は正倉院の御物の中に納められています。

聖武天皇(724〜749年)の時代には、4回も遣唐使が中国を訪れ、唐との修交を深め、また、在位中の736年にはインドのバラモン僧も来朝しています。 これらの遣唐使が持ち帰ったのか、あるいは、来朝した僧が献上したものか、またはバラモン僧自身が使用したものかは不明でありますが貴重な薬としてスパイスが聖武天皇のお手許にあったということであります。
そこで、これ等スパイスを当時、食用に用いていたとすれば、カレーという単語が入ってくる以前の時代ですから、当時は何と呼んでいたか解りませんので、シルクロードヤマト味と致しました。

このシルクロードヤマト味は体の不調を改善するスパイスが入った医食同源、薬食同源の薬膳料理でもあります。
何故今、シルクロードヤマト鍋なのかということです。
日本は戦後70年、人々はがむしゃらに働いて世界に肩を並べる経済大国になりました。
寿命は大きく伸び、身長やスタイルは欧米に引けをとらないほどになりました。
しかし、一方で、現代病と呼ばれる生活習慣病も増加の一途をたどっています。この原因は、栄養過多、飲食、ストレスです。

このシルクロードヤマト鍋は大和の国の原点を見つめる料理なのです、材料にハラールカレー粉、大和肉鶏、ココナッツミルク、焼豆腐、がんもどき、キノコ、蓮根が基本で、その他大和の野菜を用いた鍋で、夏は発汗作用があるので体を軽くし、冬は体の芯から温めてくれる古代鍋なのです。

シルクロードヤマト鍋 提供店 郷土料理居酒屋「しきしき」TEL:0742-36-8490(要予約)
奈良市大宮町 「近鉄新大宮駅」より歩1分
事前に、ご予約をお願い致します

久保 義弘



作ってみよう「シルクロードヤマト鍋」 <材料4〜6人分>

「作り方」
前日より昆布ダシをとり、鶏ガラ、コンソメを入れ、鶏ガラスープを作る。
鶏ガラスープ300ml に塩小匙1杯、味醂大匙1杯、料理酒大匙1杯、にハラールカレー粉を13gを加えてダシを作る。
糸コン1/4パック、モヤシ、えのき茸、生椎茸を各々50g、焼豆腐、がんもどきを各々100g用意する。
鶏ガラスープを土鍋に注ぎ、煮えにくい根菜類から入れて火が通ったら残りの具を入れて煮立たせる。
ココナッツミルク400mlは最後に入れて煮立たせないように注意する。
ダシが少なければ適宜継ぎ足し、塩、胡椒で味を調えます。

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