農家レストラン〜農業の新しい姿〜―王隠堂の創作山村料理―


十津川方面168号線、車で吉野川を渡り、賀名生大橋を渡った瞬間右折。 狭い道を山へ(途中西吉野小学校あり)、登りつめた所に、大きな古民家・王隠堂はあった。
周りには、山吹、椿、すおう桜、利休梅等が咲き乱れ、部屋には月曜日にも関わらず、12名程の女性達の先客があった。

「王隠堂」はれっきとした由緒ある苗字なのである。その昔、南北朝時代の内乱の折、大和の国・吉野に逃れた後醍醐天皇をかくまったことから「王を隠した堂」と言うことで王隠堂と名が付けられた。


料理は聞けば聞く程、奥が深く、旬の野菜を使った創作山村料理である。もちろん野菜は全てここの農園で採れたもので、大和真菜のベビーリーフ、野蒜、こしあぶら、セリ、葉ワサビ、タケノコ、ワラビ、三つ葉。手作りのがんも、こんにゃく、ニョッキと。至る所に今が旬の野菜が使われていた。

主な物だけでも@桜茶Aブロッコリーペースト入りニョッキに大和真菜のベビーリーフ添えB野蒜の酢味噌合えCセリのお浸しD葉ワサビの醤油漬けE大和真菜、干柿、人参のお浸しFきゅうりの酢物G煮物(タケノコ、ワラビ、がんも、コニャク、干椎茸)H天婦羅(タケノコ、こしあぶら、セリ、ワラビ、野蒜、かき揚げ)Iお吸い物(タケノコ、ワラビ、三つ葉)J梅干し、真菜の漬物K吉野のお酒で肉を軟らかくし、相性抜群の味噌ソースでいただく猪肉。


味付けも自家製の味噌、柿酢等をベースとしていた。これらが、幕末の頃のお皿に盛付けされているのであった。

このように最初の桜茶から最後の・梅干しまで、自家農園産、手作りにこだわった美味しい料理はここならではある。さらに特筆すべきことは、ご飯の美味しいことであった。

ここは何と合鴨農法による米作りの上、昔ながらの竈で炊いてお櫃に移している。美味しい筈である。艶があり米粒がはっきりとしている。

桜の塩漬けの花びらも僅かに入っており、これが更に食をそそった。またここは自家農園の旬の食材を使って物作りをする食育体験(こんにゃく作り、柿ジャム作り、桜花の塩漬け等)や、梅、お米、椎茸を育てる農業体験等色んな体験コースもある。

今までの農業は物を生産するだけであったが、自らがそれを加工、調理し、料理として出す「農家レストラン」は農業生産者の顔が見える究極の安全・安心の新しい形態のお店ではないだろうか。

王隠堂 お問合せ先0747-32-0073 要予約(大人2名様以上)

山根 清孝



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