開店した当時は、周りから一年もたないだろう、とささやかれたが、何よりも地元の人達との交流を大切にした。そのうちご近所から自家で作った野菜やこんにゃく、採れたての筍などの差し入れがあったり、知り合いになった猟友会のメンバーから猪が捕れたと大きな肉塊を提供されたり、新鮮な鹿の肉を定期的に得られるようになったりして料理の種類も増えていった。この地で時期折々に得られる食材がメニューを作るという、まさしくアイデアの世界で、この5年間に作ったメニューは数百に上るという。
それらの内、定番になっている料理を2〜3紹介すると
・大和肉鶏を使っての、塩焼き、たたき、から揚げ、鍋料理
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・大和肉鶏ミンチの白菜巻き大和芋とろろかけ
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・地鶏サラダ
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・レンコン団子吉野葛餡かけ
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・大根ステーキ
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・若ごぼうのお和え
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・柿の葉ならぬ椿の葉添えさば鮨
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・豆腐のとろろ焼き
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・ころころこんにゃく
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・鹿肉刺身、鍋(季節のみ)
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・天然鮎の塩焼き(但し釣れた時のみ)
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そのほか、季節によってメニューは変わる。特に、その日、その時期手に入ったものでの料理となるので、毎日異なるメニューが追加され、それがまた楽しみとなる。
奈良時代から徳川時代までの歴史が残る街中で、新しい創作料理を商いするこのアンバランスが、観光に訪れる人達からどんな受け止め方をされるのか。開店当初はお客様は違和感を持って訪れ食したそうだが、店主は初心である「地元の食材で奈良の旨い物を作る」に取り組み続けており、地元の安心で安全な食材の料理にファンも増え、次なるメニューを楽しみにして来てくれるとの事である。
伝統、伝承の料理も良いが、現代人の味覚になじむような新たな大和の料理を考え、提供することも必要ではないかと思う。ここを訪れる人々が果たしてどんな新しい大和の味に出会えるか、楽しみに見守りたい。
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